三州瓦−瓦Web−

三州瓦の愛知県陶器瓦工業組合公式サイト。三州瓦の歴史、三州瓦の性能・製品情報・CADデータ、かわら相談など。

新着情報 資料請求 組合概要 リンク集 サイトマップ
TOP




三州瓦の再利用 組合員紹介

瓦web-BLOG

2017年03月21日

第11回飾り瓦コンクール受賞者の方々の感想。

こんにちは。
愛知県陶器瓦工業組合、広報担当のサンちゃんです。

建物の瓦屋根に装飾等を目的として装着される、粘土瓦「飾り瓦」はさまざまな形が象られます。その類まれな素材感を生かした個性溢れるオブジェの饗宴「第11回 飾り瓦コンクール」には134点の作品が寄せられました。その作品審査会が2月11日に行われ、12作品が受賞されました。

飾り瓦コンクール入賞作品1.png
飾り瓦コンクール入賞作品2.png

3月15日には表彰式が行われ、各賞を受賞された方々の感想をお聞きしてきました。

noname.png


〜第11回飾り瓦コンクール受賞者の方々〜

【大賞(グランプリ)「花鬼」】
清水隆司さん(瓦製造業) 兵庫県姫路市
「花鬼」清水隆司(瓦製造業).jpg

「グランプリを受賞でき、驚きと喜びでいっぱいです」と3回目の出展された清水さん。第9回飾り瓦コンクールでは、中部経済新聞社賞を受賞されています。
今回の「花鬼」と対で「海鬼」も出展し、植物の生命力、海の力強さを「自然+伝統=斬新さ」で表現したそうです。普段は規格のある瓦を製造しており、大きい作品を作ることはあまりないので普段作らない物を作ろうと、製作期間に2ヶ月を要したとのことでした。
「毎回他の作品を見て次回へのモチベーションが上がる。次回も出展したいと考えている。」ともおっしゃっていました。


【優秀賞(屋根部門)「阿吽の呼吸」 】
山本英輔さん(鬼師) 愛知県高浜市
「阿吽の呼吸」山本英輔(鬼師).jpg

「ようやく受賞できた」ととても嬉しそうな山本さん。第1回飾り瓦コンクールから出展されています。
コンセプトは「家族(自分と奥さん、娘さん2人)」だそうで、阿=メス(奥さん)、吽=オス(自分)、下にいる子どもは娘を表現したそうです。
吽(自分)は後ろを向いているが、「いつも阿(奥さん)の話を聞いているよ」と家庭円満をアピール。
「今後は少しでも瓦業界が盛り上がれば。」ともおっしゃっていました。


【優秀賞(オブジェ・エクステリア部門)「私のたからもの」 】
南川憲生さん(彫刻家) 三重県四日市市
「私のたからもの」南川憲生(彫刻家).jpg

「受賞できて有難い」と2回出品して2度目の受賞をされた南川さん。第10回飾り瓦コンクールでは中部経済新聞社賞を受賞されています。
自分にとって大切な物はみんな違うと思う。人だったり、物だったり、思い出、希望、趣味、言葉…など胸の内面にある見えない宝物を表現した。
作品を作るにあたり気をつけたのは焼成温度。900℃前後で焼成し、それ以上高温になると細かい手直しがきかないので、900℃程度がちょうどよかったそうです。顔の表情、目は何度も作り直し、最終的に今の(中性的な)女性の顔に仕上がったと作品の工程を説明してくださいました。


【高浜市長賞 「知恩院の鬼面」 】
梶川賢司さん(鬼師) 愛知県碧南市
「知恩院の鬼面」 梶川賢司(鬼師).jpg

7回目の出展をされた梶川さん。第6回飾り瓦コンクールでは伝統技術優秀賞(現在はなし)を受賞され、第7回、第9回では、中日新聞社賞を受賞されています。
一年くらい前、国宝知恩院御影堂の二尺隅鬼瓦を復元の仕事をしたそうです。370年前の職人の技がとてもすばらしい作品だったのでもう一度心を込めて作製したとのこと。
「国宝知恩院の仕事に携われて感謝します。」とおっしゃっていました。

【中日新聞社賞 「本鬼面一文字(古色)」】
加藤佳敬さん(鬼師) 愛知県高浜市
「本鬼面一文字(古色)」 加藤佳敬(鬼師).jpg

「受賞できうれしい」と7回目の出展の加藤さん。
第7回の飾り瓦コンクールでは朝日新聞社賞、第8回ではグランプリ、第10回では優秀賞(屋根部門)を受賞されています。
今回の作品は、カラス天狗と鬼の融合を表現したもの。顎は天狗の羽根をイメージし、螺髪(髪のねじれ)は、昔からある手法だが最近はあまり使われていないので自分の作品で使っているとのこと。この手法で迫力が出るように作ったそうです。
古色とは、通常のいぶし瓦より焼成温度を下げて(700℃前後)焼成する色。知恩院の鬼瓦にも使用された色。
「今後も出展することによって、「飾り瓦」が一般の方へ広く認知されるよう、修練して、もっともっと良い物を作製していきたい。」との意気込みをお話くださいました。


【読売新聞社賞 「狙う目」】
鈴木茜音さん(学生) 愛知教育大学
「狙う目」 鈴木茜音(学生).jpg

「こういった賞を受賞できたのは初めてなので、とてもうれしい。」と話す鈴木さん。2回目の出展で、前回に比べのびのびと作れたのが良かったそうです。
自分が爬虫類好きで、カメレオンを作製すると決め、そこから今回のコンセプトを決めたとのこと。「カメレオンは普段四方八方に目を向けているが、「飾り瓦=家を守る=悪い物を狙う」から敢えて一点をみる目にした。」と作品に対する思いを語ってくださいました。


【中部経済新聞社賞 「姉妹とカステラ」 】
加藤伸之介さん(院生) 名古屋芸術大学大学院
「姉妹とカステラ」 加藤伸之介(院生).jpg
3度目の出展の加藤さん。普段から着物で生活しているそうです。第9回飾り瓦コンクールでは毎日新聞社賞を受賞されています。
今回の作品に対しては「自宅で飼っている犬と仲の良い自分を女の子にして表現してみた。」とのこと。「受賞は上手く焼成してもらえたから。」とお話されてました。


【日本屋根経済新聞社賞「日就月将」】 
西郷泰斗さん(瓦製造業) 愛知県刈谷市
「日就月将」西郷泰斗(瓦製造業).jpg
初出展での受賞で「とてもうれしい。次回も出展しようと思った。」とお話くださった西郷さん。
作品名の「日就月将」は「日進月歩」と同じ意味で使われる四字熟語。
AI(人工知能)が流行る今、鬼瓦の表面を1枚めくったら、機械で動いているのではないか。人間同様に日に月に絶え間なく進化しているのではないか…という裏を考えて表現してみたそうです。雲も外側から見れば水蒸気だが、1枚めくれば機械では?という同様の考えで作った。土台の海は「生命の万物は海から成る」という説を表現した、と作品に対する想いを語ってくださいました。


【キャッチネットワーク賞 「読みかけのトーベ・ヤンソン」】
杉山享平さん(学生) 愛知県立芸術大学
「読みかけのトーベ・ヤンソン」 杉山享平(学生.jpg
初出展で受賞され、「うれしかった」と感想をおっしゃってくださった杉山さん。
『トーベ・ヤンソン』はムーミンの作者。この作品を制作中にトーベ・ヤンソンの短篇集を読んでいて、そこから受けたイメージを形にしたそうです。
作品制作を始めた頃は顔の表情に力を入れていたが、もう少し印象を強くしたいとニット帽を被せたとのこと。ニット帽の編み目等やり始めた時は楽しかったが、ひとつひとつ丁寧に作ること同じ作業の繰り返しでとても苦労した、ともおっしゃっていましたが、全体的にはとても楽しく制作できたそうです。

さいごに

受賞された方々にお話を伺いましたが、皆さんそれぞれに作品に対する想いや工夫などされていて、作品に対する物語があるものなのだなと思いました。
瓦の素材は粘土土で、形がない状態です。その何も無い状態から想いを込め、形を創り上げるのは意欲と能力、継続する意志が成すものなのだと感じた授賞式でした。


posted by サンちゃん at 11:38| Comment(0) | 新着情報

2017年03月16日

建築建材展2017にて、愛知県三河窯業展ブースを出展いたしました。たくさんのご来場ありがとうございます!

こんにちは。
愛知県陶器工業組合のサンちゃんです。

3月7日(火)〜10日(金)の期間中、東京ビッグサイトで建築建材展2017が開催されました。
建築建材店展では、建築建材の各メーカーさんがそれぞれの商材を展示します。

愛知県陶器工業組合では、愛知県三河窯業展のお手伝いをさせていただきました。

コンセプトは江戸町

瓦の良さを再認識しやすいように今年は江戸町風な展示ブースになりました。ブース入り口は番所風の門構えに仕上げ、入りやすさをイメージしました。

写真 2017-03-09 10 29 48.jpg

門の横では、屋台に見立てた鬼瓦実演コーナーを設置。鬼師さんによる鬼瓦の実演制作をしていただきました。
通りゆく人々が足を止め、その制作風景に見入っているのが印象的でした。

写真 2017-03-09 10 49 05.jpg
写真 2017-03-09 11 25 37.jpg


ガイドライン工法の展示

瓦屋根の施工法は以前とは違っています。今回もそのことを知っていただくために新旧の施工法の違いを展示をしました。

写真 2017-03-09 10 36 00.jpg
写真 2017-03-09 10 36 35.jpg
写真 2017-03-09 11 06 15.jpg

左が昔の施工法です。
昔は瓦4枚に対して釘を一本打って留めればOKな施工方法でした。釘を打たれていない瓦は持ち上げれば浮きますし、外れることもあります。

それに対し、右側の防災タイプは瓦一枚に対して釘を1本ずつ留めつける全数釘打ち工法で並べられてます。釘で留めつけてあるので、簡単に外れることはありません。

写真 2017-03-09 11 26 17.jpg
写真 2017-03-09 11 28 36.jpg
写真 2017-03-09 11 19 03.jpg

こちらの展示も興味を持ってくださる方が多く、熱心にお話を聞いてくださりました。

三州瓦のバリエーション展示

各瓦メーカーの製品とカタログを展示しました。
三州瓦には様々な形や色があります。和瓦をはじめ、平板瓦(へいばんがわら)、洋風瓦と種類が豊富です。建物のイメージに合わせて瓦を選んでいただけるようになっています。

collage.png


こちらの展示もたくさんの方が興味を持ってご覧くださいました。

写真 2017-03-09 10 37 37.jpg
写真 2017-03-09 10 54 04.jpg
写真 2017-03-09 11 16 14.jpg

住宅の耐震性は構造体の強度確保が最も重要

地震に対する家屋の備えはその構造体の強度が必要となってきます。家屋の柱の太さ、筋交いの量がバランスよく配置されていないと地震に耐えることはできません。日常的に目に触れないのであまり知られることがないことですが、今回の展示では目に見えるよう、わかりやすい工夫をしました。

写真 2017-03-09 11 04 59.jpg

写真 2017-03-09 11 05 13.jpg

写真 2017-03-09 11 15 20.jpg
写真 2017-03-09 10 43 44.jpg

やはり耐震構造というとみなさん気になるようで、熱心に見ていかれる方が多かったです。

さいごに

期間中は沢山の方々にご来場いただくことができました。
アンケートにもこころよく記入してくださってありがとうございました!

今回ご紹介した以外にもいろいろな展示をし、三州瓦の認知に繋がったと思います。写真でご紹介しきれない部分もありますので、その他の様子はこちらの動画でご覧くださいませ。


posted by サンちゃん at 10:53| Comment(0) | 新着情報

2017年03月13日

三州瓦が産地として発達した理由

こんにちは。
愛知県陶器瓦工業組合のサンちゃんです。

現代の瓦の技術の基本ができたのが安土桃山時代、瓦が一般住宅に使われるようになったのは江戸時代中期のことでした。

その瓦の歴史をシリーズでお届けしています。前回までのお話はコチラからご覧いただけます。

今までは瓦全体の内容でしたが、今回は三州瓦の歴史に触れていきますね。

三州が瓦の産地となったのは1700年ごろ

三州が瓦の産地としての機能を発揮しだしたのは、大都市が出現し、一般の住居などにも瓦が使われるようになった1700年ごろではないかと考えられています。高浜市の春日神社に奉納されていた狛犬に「享保八年、三州高浜村瓦屋甚六……」といった文字が彫られており、これにより1723年には確実に瓦の専門業者が高浜に存在したことは分っています。

r_photo07.jpg

瓦は運搬が容易ではありませんから、古くは利用地で焼かれるのがふつうでした。
地元の窯だけではまかなえないほどの多くの需要が出て来て、はじめて別の地域に瓦を供給することが産業として成り立つようになります。

三河は海路が確保しやすかった地形

瓦は重量物であり、運搬をする際には陸路だけでなく海路を行く船便を使いました。西三河は港が作りやすい地形だったのと、江戸幕府を開いた徳川家康が岡崎出身だったということもあり、物流の拠点が西三河に作られました。

当時は様々なモノが江戸へ運ばれたと言われています。その中に瓦も含まれていました。
さらには、瓦を運ぶという目的だけではなく、瓦を船倉に積むことにより船自体が安定するので、重しの役目も果たしたそうです。こういった経緯があり、江戸にたくさんの瓦が運ばれました。
江戸へ運搬するだけではなく、他のエリアに瓦を運搬する際にも便利だったと言われています。

三州で瓦産業が発達した理由は以下の通りのことがあげられます。
  1.瓦に適した良質な粘土が浅い地層で大量に掘れたこと
  2.矢作川があり、良港にも恵まれていたので、船便による搬送ができたこと
  3.農業には向いた土地ではなかったので、良質な労働力を充分に得られたこと

矢作川01.jpg


矢作川の恩恵により資源と交通の便に恵まれた三州。
三州瓦の発展はこの自然の恵みがあってこそのものなのです。
posted by サンちゃん at 10:00| Comment(0) | 新着情報

瓦web [TOP]

愛知県陶器瓦工業組合公式サイト。三州瓦の歴史、三州瓦の性能・製品情報・CADデータ、かわら相談など。


人にやさしい三州瓦
愛知県陶器瓦工業組合    〒444-1323  愛知県高浜市田戸町1-1-1  TEL 0566-52-1200 (代)  FAX 0566-52-1203